兄さん。
私は前の職場で、そう呼べる先輩がいました。
年も近くてとても頼れる、そんな方です。
前の職場が公務員だったので、金曜日の仕事後は必ずと言っていいほど飲みに行ってました。
金曜日はまっすぐ帰ると損した気分になるので、兄さんに必ず声を掛けて、梅田や十三に飲みに行くことに。
終電間際まで飲みまくっていて、酔った体に鞭打って、駅に全力疾走したことも一度や二度ではありません。。
とても優しく面倒見が良い人なので、当然他の後輩も一緒に飲みに行くことが多くなり、毎日が楽しかったです。
スポンサードリンク
そんな兄さんが異動になりました。
とはいえ、職場が離れても、連絡したらいつでも飲みに行くことができますし、昼ごはんも同じ小料理屋で食べていたので、異動したという気もしなく、いつもの通りよく飲みに行ってました。
仕事は嫌でしたが、ワクワクもあった、そんな日々を送っていました。
そんな兄さんが異動して、1年半後、突然後輩から一本の電話が。
「兄さんが意識不明の重体です・・・」
話によると、いつものように職場に来た兄さんが、「気分が悪いからトイレに行ってくる。」と言って席をはずすことに。
ところが、1時間経っても帰ってこないので、同じ部署の一人がトイレに見に行くと、大きいほうをする扉が一つだけ閉まっていたようです。
コンコン、コンコン
ノックをしても反応がありません。
「兄さん~」
と呼んでも返事がありません。
おかしいと思い、扉に手を掛けて、上から覗き込んでみると・・・
便器に顔を突っ込んだまま動かない兄さんが!!!
すぐに緊急手術です。
兄さんの職場は市民病院だったので、手術はすぐにできます。
結果は、脳内出血。
脳の血管が破裂したようです。
緊急手術の結果、兄さんの脳から血液はすべて取り除かれました。
でも、意識が戻りません。
自分で呼吸をしていないので、口にチューブを入れて、無理やりにでも酸素を送り込むことに。
意識が戻らない兄さんのそばには、兄さんの彼女がずっと看病していました。
一週間後、前の職場の上司から、
「○○(兄さん)、朝亡くなった」
と告げられました。
上司に、「教えていただいて、ありがとうございます」とお礼を言った後、涙が止まりませんでした。
もう飲みに行くこともできない、遊びに行くことも、アホなことも一緒にすることができない。
私がどれだけ暴走しても、兄さんがいつも後ろで見守ってくれている、だから、私は安心して自由にすることができた、そんな兄さんにもう会うことができないと思うと、寂しさと悲しさしかありませんでした。
それから、5年後。
私は兄さんと同い年になりました。
39歳。
兄さん、なんぼなんでも早すぎです・・・
身近に死を感じ、その年齢になった今、いつお迎えがきてもおかしくない、そう思うようになりました。
それが今日かもしれませんし、明日かもしれません。
もしかしたら、もっと先かもしれません。
でも、今、自分の中では大きく変わりました。
小さな悩みや、ネガティブ思考が湧き上がることなどはどうでもよくなりました。
それよりも今この瞬間を生きる、今幸せだけを感じる、ワクワクすることだけに全力集中する、これらができるようになりました。
もし、引き寄せの法則を使ってもhappyになれないと思うのであれば、時間が無限になると無意識に思っているからかもしれません。
無限にあるから、クレジットカードの支払いがヤバいとか、嫌なことがこの先待っているということに悩んでしまうのかもしれません。
今だけを深く生きる、このシンプルな原則だけでhappyな引き寄せができる、そう思う今日この頃です。